2017年5月28日日曜日

全国の雨

   全国の雨

雨はしづかに降つてゐる。
どこまでいつても晴れやらず
全国の雨は降つてゐる。
水田の上に 孟宗林に
湖に降つてゐる。
もう三十里は離れたが
全国の雨は降つてゐる。
全国の雨は鬱蒼とした山中に降つてゐる。
窓から俯瞰する谷合の
暗い田の上にも降りこんでゐる。


北海道は亜寒帯、沖縄は亜熱帯ですが、日本の他の地域は温帯に属し、四季の区別がはっきりしています。夏は南東から、冬は北西からの季節風が吹き、その影響で夏は太平洋側で雨が多く、冬は日本海側で雪が降りやすくなっています。

6月上旬から7月上旬にかけての梅雨期には、北海道を除き、長雨が続きます。オホーツク気団と小笠原気団との間につくられた梅雨前線が日本列島の南部に停滞することによってもたらされます。

台風は、南方海上に発生した熱帯低気圧が発達したもので、7月から10月にかけて日本列島を何度も通過して強風や集中豪雨をもたらし、山崩れや高潮、水害などの災害もしばしば発生します。

カラッと乾いた欧米とかとは異なり、確かに日本は湿気の多い「雨」の国であり、それが特有の国民性を生んでいるという側面があるのでしょう。

*この作品のリズムを支えているのは、他でもない、日本的湿気に対する嫌悪感である。小野がくりかえし「葦の地方」を書いてきたのはそこが乾いていて透明であり荒れはてているからだった。鳥取の砂丘へ行ってみたいと「日本の砂漠」で書くとき、小野は日本ばなれした乾燥の地をおもいえがいているのだ。後出の「山」の末尾2行「はげしく水墨に抗して/靄を吐かず」は日本ばなれした物質としての富士をよしとして捕えた言葉である。《安》

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